中国 キームン1級

キームン紅茶

祁門紅茶(キームン紅茶)は中国において最も有名な紅茶であり、インドのダージリン、スリランカのウバと並ぶ世界三大紅茶のひとつです。

日本においてはキーマン、キーモン、キームンといった複数の呼び方が用いられ、上品な蘭の花香が楽しめます。

キームン紅茶は6〜9月(農園によって異なる)という梅雨から夏にかけてしか収穫が行われず、採集される量も極わずかです。そのため他の紅茶と比較すると値段が高くなります。

特にクオリティーシーズンである8月に収穫される茶葉は最高級品として位置づけられ、ダージリンの高級品を凌ぐ高値で取引されます。

また、キームン紅茶は上から「極品、特貢、貢茶、礼茶、特茗、特級、1級、2級、3級」など、品質ごとに細かく区別されているのも特徴です。

英国エリザベス女王にも愛飲されているほど高い評価を得ています。

キームン紅茶の歴史

祁門は茶の生産地としては唐より前の時代から行われてきましたが、紅茶キーマンの栽培はイギリス向けの紅茶を製造するために創業された「祁門紅茶工場」によって製造がはじまりました。(1875年)

高級感漂う蘭の花の香りをもつ茶葉は瞬く間に人気を集め、1913、イタリアのエキスポ、1915年にはパナマ太平洋万博で金賞を受賞。

やがて、世界的な銘茶として知られるようになり、イギリス貴族が飲む最高級の紅茶として有名な存在となりました。

20世紀初頭にはキーマンの輸出量は3000トンを越え、世界三大紅茶の1つと呼ばれるほどになります。

1987年ベルギーのブリュッセルで開催されたモンドセレクションにおいても最優秀金賞を受賞し、世界的銘茶としての名声は確固たるモノとなりました。

しかし、有名となった弊害として通称スモーキーフレーバーと呼ばれる香りの弱い粗悪品のキームンも出回るようになり、2005年に祁門紅茶工場は閉鎖。

その後、祁門のいくつかの農園が一級品キームンの製造を引き継ぎますが、明確な品質基準が整っていないためか年々品質は下がっているようです。